当スクールに通っていただいている、ご家族の実話シリーズです。
揺れる心と、変わらない場所。6年目の景色の中で思うこと。
季節がめぐるたびに、親である私の心には何度も大きな「波」がやってきます。
ある時は穏やかなさざ波のように、またある時はすべてを飲み込んでしまいそうな激しい荒波のように、私の心は揺さぶられ続けてきました。
息子が引きこもるようになってから、6年目を迎えました。
この長い年月、私たちは出口のない暗闇の中を手探りで進んできました。少し前に、ようやくその先に小さな光が差し込み、明るい兆しを感じられた瞬間があったのです。「ああ、やっとここまで来られた」と、胸をなでおろしたのも束の間でした。
ある出来事をきっかけに、息子は再び自信を失い、行動レベルがぐっと落ちてしまいました。
見えない壁の中に自分を閉じ込め、悪循環の中に沈んでいく息子の姿。それを見たとき、私の心は激しい不安に支配されました。「また逆戻りしてしまうのか」と、息子が作る壁に私自身も引っ張られ、共に深く沈み込んでしまったのです。

突き放されたような、あの日の言葉
少し時期はさかのぼります。息子が引きこもり始めたばかりの頃。
私はまさに「藁をもすがる思い」で、あちこちの相談機関を巡っていました。一喜一憂を繰り返し、疲れ果てた体で助けを求めた先々で、だいたい決まって返ってくる言葉がありました。
「ご本人がこちらに来てくれたら・・・(支援ができるのですが)。」
その言葉を聞くたびに、私は言いようのない孤独感と、やり場のない恨めしさを感じてきました。『それができないから、こうして親が必死に動いているのに・・・。』 目の前で扉を閉ざされたような、突き放されたような感覚。世の中の「正論」や「仕組み」が、刃のように心に刺さった日々でした。
そんなボロボロの私を救ってくれたのが、IPELさんの存在でした。
IPELさんは「待つ」のではなく、最初は「家庭訪問」というスタイルで、息子のいる場所まで一歩踏み込んで来てくださいました。
家という唯一の安全地帯に、柔らかくつながりを作ってくれたその一歩が、どれほど大きな意味を持っていたか。

期待と、現実と、ホットヨガ
そんな数年間を経て、今はまた新たな波の中にいます。
今日の朝がそうでした。息子がポロッと、ちょっとした前向きな発言をしたのです。
「お、これは・・・! 今日こそIPELさんの居場所に行けるんじゃないか!?」
これまで何度も肩透かしに合ってきました。期待しすぎてはいけないと分かっているんです。それなのに、やっぱり期待感が膨れてしまう。
彼が重い腰を上げるかもしれないという淡い期待を抱えながら、私は自分を整えるべくホットヨガへと向かいました。
ホットヨガの最中は、息子のことも、日常の悩みも、一切思考から消えていました。ただただ熱気の中で自分の身体と向き合い、汗を流し、無心になる。あの集中があったからこそ、心身ともにデトックスされ、清々しい気持ちで帰宅することができたのです。
しかし、現実はそう甘くありませんでした。
玄関を開けると、そこには朝と何ら変わらぬ光景。結局、彼は一歩も外に出ていませんでした。
「・・・・期待した私がおろかでした(笑)。」
自画自賛して、信じて、進む
「行けない」という現実を確認することになり、やはり心の中には「モヤモヤ」が沸き上がってきました。
頭では分かっているんです。世の中にはもっとつらい状況にある人がいて、命に関わるようなことに比べれば、これは「平穏な日常」の一コマに過ぎないのだと。
・・・なのに、やっぱりモヤモヤする。それが親という生き物なのかもしれません。
そこから私は、自分を立て直すための作戦を遂行しました。少し昼寝をして脳を休め、それから「着物を着る練習」に没頭しました。
正直、着物が大好きというわけではありません。でも、母が作って送ってくれた着物たちをそのまま眠らせておくのも申し訳ない。だから「とりあえず着られるようになる」という目標を掲げて、あえて難しい着付けに集中することで、息子に向きすぎている目線をそらそうとしています。
そうして自分を律し、さらに家族の晩御飯を丁寧に作る。
「偉いぞ、私! よくやってる!」 そうやって自画自賛して、なんとか心のバランスを保ちました。
傍から見れば、何も進歩していないループの中にいるように見えるかもしれません。
でも、私は信じています。この「繰り返し」に耐え、自分を整え続け、また明日を迎えようとする力。それこそが着実な「進歩」であり「進化」なのだと。

変わらずにいてくれることへの感謝
今もなお、息子は壁の中にいます。この先、状況がどう変化していくのか、確かな答えは見えていません。
でも、一つだけ確かなことがあります。
どんなに状況が悪循環の中にあっても、IPELさんは変わらずに息子のことを気にかけてくれ、その存在を認め続けてくれています。
かつてのように偶然性の好転に期待するだけでは難しい段階にある今も、変わらぬ温度で寄り添ってくれる場所がある。
そのことが、どれほど私の救いになっているでしょうか。
今日も、私は嫌というほど悲しみました。でもその底を打った今、一つの「決意」を持っています。
どんなに揺れ動いても、私がまず、前を向いて笑っていよう。ヨガで自分をリセットし、着物を着ることで目線をそらし、美味しいご飯を作って、自分の機嫌を取りながらどっしりと立っていよう。
・・・今は、ね。 (だって、きっとまた別の波がやってきますから(笑))
それでもいいんです。波が来たら、またその時に、なんとかやり過ごしていく。
その繰り返しが、私たちの歩みそのものなのだと思います。
これからのことは誰にもわかりませんが、今は絶望ではなく、良いイメージを持ち続けていたい。 揺れ動く波の中でも、自画自賛を忘れずに。
感謝の気持ちと共に、一歩ずつ進んでいこうと思います。
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