不登校・登校しぶりを「甘え」と決めつけない

「学校に行きたくない」
「教室に入りたくない」
「朝になると動けなくなる」
子どもが登校をしぶるとき、周囲の大人は「甘えているのではないか」「ここで休ませたら、ますます学校に行けなくなるのではないか」と考えてしまうことがあります。
もちろん、子どもが学校から離れているときには、生活リズムや学習、友人関係など、さまざまな側面から支援を考える必要があります。
しかし、その行動の背景には、本人にも簡単には言葉にできない「怖さ」や「不安」が隠れていることがあります。
大切なのは、目の前の「学校に行かない」という行動だけを見るのではなく、
「なぜ、今この子は学校に行くことが難しくなっているのだろう?」
と、その背景に目を向けることです。

目次

不登校・登校しぶりの背景にある「過去の体験」

ある中学生の女の子が、ある時期から登校を強くしぶるようになりました。
保護者が車で学校まで送っても、なかなか車から降りようとしません。「教室に入りたくない」と訴えるものの、その理由を詳しく話すことはありませんでした。
学校側では、当初「少し強く背中を押せば登校できるのではないか」と考えられていました。
しかし、スクールカウンセラーが保護者から話を聴く中で、幼少期にこの子が性的な被害を受けた経験があり、それ以来、保護者が一人で登校させることを強く心配して、長年にわたって送り迎えを続けていたことが分かりました。
保護者にとっては、「過保護だと思われるかもしれない」と感じながらも、子どもを守りたいという思いから続けてきた行動でした。
ここで重要なのは、現在の登校しぶりだけを見れば「甘え」に見えていた行動が、過去の体験を含めて考えることで、まったく違った意味を持って見えてくるということです。

「無理に連れていく」ことが逆効果になることも

このケースでは、学校に来た子どもを、複数の教師が抱きかかえるようにして車から降ろし、教室まで連れていくという対応が行われていました。
学校としては、「このまま休ませてはいけない」「本人のために学校へ連れていかなければ」という思いがあったのでしょう。
しかし、過去に怖い体験をした子どもにとって、男性に身体をつかまれて移動させられることが、そのときの恐怖を思い出させるきっかけになってしまう可能性があります。
子どもの行動を変えようとするときには、
「この方法で学校に行かせることができるか」
だけではなく、
「この方法は、この子にとって安全なものだろうか」
という視点も必要です。
特に、過去の被害経験や強い恐怖体験がある場合には、本人の意思や安全感を尊重しながら、慎重に支援方法を考える必要があります。

不登校支援では「情報共有」も大切な支援の一つ

このケースで難しかったのが、子どもの過去の被害経験を学校の教師にどこまで伝えるのかという問題でした。
カウンセリングで保護者から聞いた情報には、当然ながら慎重な取り扱いが求められます。本人や保護者の意思を尊重し、必要以上に情報を広げないことは、心理支援において非常に重要です。
一方で、子どもの安全や心身の保護に関わる重大な情報については、「秘密だから誰にも伝えない」と単純に考えることもできません。
その情報を知らないことで、学校が本人にとって危険な対応を続けてしまう可能性があるからです。
このケースでも、スクールカウンセラーは、保護者の同意を得ることができないまま、緊急性を考えて学校側に過去の被害について伝える判断をしました。
これは決して「守秘義務は破ってよい」という話ではありません。
むしろ、

  • 子どもの安全にどのようなリスクがあるのか
  • 誰が情報を知る必要があるのか
  • どこまで共有する必要があるのか
  • 本人や保護者の意思をどう尊重するのか
  • 学校や関係機関とどのように連携するのか

を、その都度慎重に考える必要があるということです。

「守ること」と「つながること」は両立できる

支援者が情報を抱え込みすぎると、学校側が適切な対応を取れなくなることがあります。
反対に、必要以上に情報を共有してしまえば、子どもや保護者との信頼関係を損なう可能性があります。
だからこそ、不登校や引きこもりの支援では、「誰に、何を、どこまで伝えるのか」を丁寧に考えることが大切です。
そして、情報を共有するときには、その情報を知った人が「その子を問題として見る」のではなく、「その子を理解するための手がかり」として受け取れるようにすることも重要です。
過去の被害経験を知ったからといって、「この子は傷つきやすい」「何もできない」と決めつける必要はありません。
むしろ、
「この子が安心して過ごすためには、どんな関わり方が必要なのだろう」
と考えるために、その情報を役立てていくことが大切なのです。

IPELで大切にしていること

私たちIPELでは、不登校や引きこもりへの支援において、目の前に現れている行動だけで子どもを判断しないことを大切にしています。
「学校に行かない」「部屋から出てこない」「人と関わろうとしない」といった行動にも、その人なりの理由や意味があるかもしれません。
だからこそ、私たちは「どうすれば学校に行かせられるか」だけを考えるのではなく、
「なぜ今、この子はそうしているのか」
「どうすれば、この子が少し安心して過ごせるのか」
という視点から、一緒に考えていきます。
また、必要に応じてご本人だけでなく、保護者や学校など、周囲の方々とも連携しながら支援を進めます。
不登校や引きこもりの状態にあるとき、本人だけに変化を求めるのではなく、本人を取り巻く環境や関わり方を一緒に見直していくことも、大切な支援の一つです。
「学校に行かないのは甘えなのではないか」
「どう声をかければいいのかわからない」
「本人のためにしていることが、逆効果になっていないか心配」
そんな悩みを抱えている保護者の方も、まずは一人で抱え込まずにご相談ください。
その子にとっての「安心できる場所」と「安心できる関わり方」を、一緒に探していきます。

Fun Stepを運営する合同会社アイペル(大阪市淀川区)は、不登校や引きこもりの状態にある方の支援を行っております。
教室への通所やオンライン面談や家庭訪問といった方法で、お困りの方の相談に取り組みます。

当スクールでは、お子様の状態に即した形態での支援をご提供しております!
ご興味ある方はお問い合わせくださいね!

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