不登校やひきこもりの相談を受けていると、保護者の方から次のような質問をいただくことがあります。
「相談した内容は学校に伝わりますか?」
「本人が話したことは親にも秘密ですか?」
「相談したら勝手に情報が共有されるのでしょうか?」
相談機関を利用する際、多くの方が気になるのが「秘密は守られるのか」という点です。
もちろん、相談支援には守秘義務があり、本人やご家族の情報は大切に扱われます。
一方で、不登校やひきこもりの支援では、「秘密を守ること」だけでは十分ではない場合もあります。
支援は一人の支援者だけでは完結しない
不登校やひきこもりの背景には、
- 家庭での困りごと
- 学校との関係
- 友人関係
- 将来への不安
- 心身の不調
など、さまざまな要素が関わっています。
そのため支援も、
- 本人
- 保護者
- 学校
- 医療機関
- 福祉機関
- 支援機関
などが連携しながら進んでいくことが少なくありません。
もし必要な情報が誰にも共有されないままだと、周囲は状況を理解できず、本人を支えることが難しくなります。
反対に、本人の了承を得ながら適切に情報共有が行われると、支援の幅が大きく広がります。
本当に大切なのは「何を話したか」よりも「なぜ話そうとしているのか」
相談の場では、時折「誰にも言っていない話」をしてくれることがあります。
しかし支援において大切なのは、秘密の内容そのものだけではありません。
むしろ、
「なぜ今、その話をしようと思ったのだろう」
という部分に大切な意味が隠れていることがあります。
例えば、
- 誰かに助けてほしい
- 本当は親に気づいてほしい
- 学校に理解してほしい
- 自分の苦しさを分かってほしい
という思いが背景にある場合があります。
そのため支援者は「秘密を集める人」ではなく、「本人の気持ちを理解し、一緒に整理する人」であることが重要です。
情報を抱え込むことが本人の利益になるとは限らない
守秘義務は大切です。
しかし、「絶対に誰にも伝えないこと」が常に本人のためになるとは限りません。
例えば、
- 学校に伝えた方が配慮を受けられる場合
- 保護者に伝えた方が家庭での支援につながる場合
- 医療機関との連携が必要な場合
もあります。
もちろん、本人の意思を尊重せずに情報共有を進めるべきではありません。
大切なのは、
「どこまで共有するか」
「誰と共有するか」
「なぜ共有する必要があるのか」
を本人や家族と一緒に考えることです。
支援の目的は情報を管理することではなく、本人の生活を良い方向へ動かすことだからです。
信頼関係は「秘密を抱えること」だけで生まれるわけではない
相談支援というと、
「秘密を安心して話せる場所」
というイメージを持たれることがあります。
それは確かに大切な側面です。
しかし、本当の信頼関係はそれだけでは生まれません。
- 自分の話をきちんと聞いてもらえた
- 急かされなかった
- 勝手に決められなかった
- 自分の気持ちを尊重してもらえた
そうした積み重ねの中で、少しずつ信頼は育っていきます。
だからこそ支援者は、「秘密を聞き出すこと」よりも、「安心して考えられる場をつくること」を大切にしなければなりません。
IPELが大切にしていること
IPELでは、守秘義務を大切にしながらも、「情報を抱え込む支援」ではなく「本人を中心にした連携支援」を重視しています。
私たちは、本人やご家族のお話を丁寧に伺いながら、どのような支援が必要なのかを一緒に考えます。そして必要に応じて、学校や関係機関との連携についても、ご本人・ご家族と相談しながら進めていきます。
不登校やひきこもりの支援は、一人の支援者だけで解決できるものではありません。本人、ご家族、学校、支援機関がそれぞれの立場から力を持ち寄ることで、新しい道筋が見えてくることがあります。
「誰にも相談できない」「どこまで話してよいかわからない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。そんな時は、まずは安心してお話しください。IPELでは、お話しいただいた内容を大切に扱いながら、ご本人とご家族にとってより良い支援の形を一緒に考えていきます。
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